和歌山帰省から帰ってきた翌日。
余韻に浸る暇もなく、私は普通に仕事だった。
朝からなんとなく体がだるい。
そりゃそうだ。
久しぶりの帰省であちこち移動したし、新幹線にも長時間乗ったし。
「まあ、疲れてるんだろうな」
くらいに思って、その日はなんとか仕事を乗り切った。
ところが2日目。
あれ…? 喉痛い?
嫌な予感がする。
そして3日目。
喉、痛すぎ。
さすがに仕事どころではなくなり、お休みすることにした。
普段から風邪を引いてもそこまで重症化することはないんだけど、今回は自分史上でもなかなか上位に入る喉の痛さだった。
唾を飲み込むだけでもつらい。
のど飴をいくら舐めても効かない。
20代の頃は風邪くらいで病院なんて行かなかった。老いには抗えぬな…と行きつけの内科を調べる。
しかしこういう日に限って定休日。
なんということだ。
喉が痛すぎて眠れないというのに。
仕方ないので翌日に予約を取る。
そんな私の横で、今度は夫が、
「なんか頭痛い」
と言い出した。
翌日の予約に夫も追加。
ふと、和歌山帰省のことを思い出す。
めちゃくちゃ身が清まるような行為をしたはずなのに、早速災難が降りかかっている。
どういうことなんだ。
もしかして、体の内側から悪いものが出ているとか、そういうことなんだろうか?
だとしたら即効性がありすぎて逆に怖い。
夫も一緒にお焼香をあげていたし、いただいたお札は部屋に飾っている。
私の厄祓いだったはずなんだけど、夫までその効果にあやかっているのかもしれない。
夫婦そろって浄化中。
病院でもらった薬をせっせと飲む日々が、1週間は続いた。
薬のおかげで喉の痛みもだいぶマシになり、なんとか固形のご飯を飲み込めるように。
健康のありがたみを改めて感じる。
まだ完全復活とはいかない体をベッドで休ませていたら、私よりも早く回復した夫が散歩から帰ってきた。
玄関の前にあるやつ、なに?
え?帰宅早々なんのことを言っているのだろうか。
どうやら玄関の前に、見覚えのない袋が置いてあるらしい。
中身を確認すると、
焼きそば。
餃子。
白ごはん。
どういうこと?
もちろんデリバリーなんて私も夫も頼んでない。
そういえば寝ている間に何回かインターホンが鳴った気がする。
起き上がる気になれなくてスルーしてたけど、あれは配達の人だったのか。
同封されてたチラシから、夫がお店を調べて電話してくれた。
確認してもらったところ、どうやら配達先を間違えていたらしい。
本来届けるはずだったのは、うちではなく隣の建物。
しかも本来注文していた人は、商品が届かなかったことで注文をキャンセルしたとのこと。
すでにこちらの玄関前に置かれてしまった商品は、そのままいただいていいことになった。
え。いいの?
焼きそばと餃子と白ごはんが正式に我が家の晩ごはんになった。
風邪を引いて寝込んでいたら、晩ごはんが届いた。
しかも無料で。
厄祓い、そういうサービスもある?
注文者とお店に申し訳ないと思いつつ、ありがたくいただく。
めちゃくちゃ美味しかった。





