私は“モノを失くす”ということが本当にない。
忘れ物もしないし、財布やスマホをどこかに置いてきた、なんてこともない。
だから正直、忘れ物や無くし物をする人を見ると、注意力散漫なんだろうな、
と思っていた。
ちゃんと気をつけていれば、そうそう失くすことなんてないでしょう、と。
そんな私が、
クレジットカードを紛失した。
もう大焦りである。
気づいた時にはお財布の定位置から消えていた。
そんなはずはないと、まずは気持ちを落ち着かせ、部屋やカバン、服のポケットなどを大捜索。
…ない。
もう一度財布を見る。
中身を全部出してみたが、やっぱりない。
クローゼットの中にある全ての服のポケット、しばらく使ってないカバンの中、机の引き出し、ソファの下、洗濯機の中。
ありえないところまで隅々探したが、ない。
これはもう本当になくしたんだと、認めざるを得ない状況。
なくし物をする人って、なくそうと思ってなくしているわけじゃないんだ。
当たり前のことに、自分がその立場になって理解した。
いつも通りに過ごしていただけなのに、気づいたらない。
蚊の鳴くような声で、夫に報告。
「クレジットカード…なくした…。」
私の突然のクレカ紛失報告にびっくりしている。
今年一、驚かせてしまったかもしれない。
暑い夏にヒヤッとする話をお届け⭐︎
なんて言ってる場合ではない。
1番冷えてるのは私の肝である。
最後に使ったのはガソリンスタンドでの給油。
夫にカードを渡し、支払ってもらったところまでは記憶にある。
それを受け取って財布にしまったかどうかまでは曖昧だ。
夫も、使い終わって私に返したと思うけど…と自信なさげ。
とりあえずそのガソリンスタンドに電話で聞いてみる。
「クレジットカードのお忘れ物はないみたいです。」
わずかな望みも絶たれてしまった。
観念してクレジットカード会社に連絡。
自動音声が流れ、促されるまま番号を押す。
そしてまた自動音声。
番号を押す。
紛失による利用停止はネットからもお手続きできますが、オペレーターにつなぎますか?みたいなことを聞かれたが、無視して人間に繋がる番号を強めにプッシュ。
クレカ紛失という気が気でない状況で、機械にまで気を使う余裕はない。
ようやく繋がった電話口の方の声があまりにも綺麗すぎて
また自動音声!?
と疑ったが、違った。
よかったちゃんと人間だ。
事情を説明すると、すんなり手続きは完了。
無事に利用停止とカードの再発行ができた。
利用状況を調べてもらったが、不正利用などはなく、一安心。
でも念のため警察には届けてくださいね、と言われたので素直に従う。
何かあったときに取り返しがつかなくなるのは怖いからね…。
ちなみに楽天カードの場合、親カードを再発行しても、家族カードやETCカードは作り直さなくていいらしい。
へぇ〜。
豆知識を得たことで、
さっきまでの不安な気持ちが少し和らいだ。
元気を取り戻したところで、さっそく警察署へ向かう。
ところで、クレジットカードをなくした人間は、どこの窓口に行けばいいんだ?
事件?
ではない。
財布ごと盗まれたわけでもない。
うろうろしていたら、落とし物窓口を案内された。
そうか。
落とし物か。
そりゃそうだ。
クレジットカードを紛失したことを伝え、受付用紙に記入。
届いていないかも確認してもらったけれど、やっぱり見つからなかった。
見つからなかった場合は、遺失届の受理番号が発行されるらしい。
万が一何かあったときに、ちゃんと届け出たことを証明してくれる番号である。
とても大切なので、無くさないようにしっかりと財布にしまう。
こちらも手続きはすんなり終わった。
カード会社にも連絡して、警察にも届けた。
今やれる全てのことを終わらせ、やっとひと息つける。
カードそのものは相変わらず行方不明だが、あれだけザワザワしていた気持ちもだいぶ落ち着いた。
あとは新しいクレジットカードが届くのを待つだけ。
支払いのほとんどをクレジットカードで行っているので、なくなると本当に困る。
今回のことで改めてクレカへの依存度を認識してしまった。
もうこんな思いは2度としたく無い。
だから、
「こんなときのために、2枚目のクレジットカードを持っておいたほうがいいのでは?」
と思ったが、いやいや。
そもそもクレジットカードが1枚なくなっただけで生活に困る状態のほうを、どうにかしたほうがいいんじゃないか。
カードがなくても、しばらく暮らせるだけの現金があればいいではないか。
私はものをなくさないと思っていた。
けれど、どれだけ気をつけていても、何かの拍子にやらかすことはある。
だったら、なくさないようにするだけじゃなくて、なくしても困りすぎないようにしておけばいい。
カードに頼りっぱなしだった生活を、少し見直すいい機会なのかもしれない。
またひとつ、人生経験が増えた。できれば増やしたくない類の経験だったけれど。





