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エッセイ

クレジットカード紛失大事件

2026.8.23

私は“モノを失くす”ということが本当にない。

 

忘れ物もしないし、財布やスマホをどこかに置いてきた、なんてこともない。

だから正直、忘れ物や無くし物をする人を見ると、注意力散漫なんだろうな、
と思っていた。

 

ちゃんと気をつけていれば、そうそう失くすことなんてないでしょう、と。

 

そんな私が、
クレジットカードを紛失した。

 

もう大焦りである。
気づいた時にはお財布の定位置から消えていた。

 

そんなはずはないと、まずは気持ちを落ち着かせ、部屋やカバン、服のポケットなどを大捜索。

 

…ない。

 

もう一度財布を見る。
中身を全部出してみたが、やっぱりない。

 

クローゼットの中にある全ての服のポケット、しばらく使ってないカバンの中、机の引き出し、ソファの下、洗濯機の中。

 

ありえないところまで隅々探したが、ない。

 

これはもう本当になくしたんだと、認めざるを得ない状況。

なくし物をする人って、なくそうと思ってなくしているわけじゃないんだ。

当たり前のことに、自分がその立場になって理解した。

いつも通りに過ごしていただけなのに、気づいたらない。

蚊の鳴くような声で、夫に報告。

 

「クレジットカード…なくした…。」

 

私の突然のクレカ紛失報告にびっくりしている。

今年一、驚かせてしまったかもしれない。

暑い夏にヒヤッとする話をお届け⭐︎

なんて言ってる場合ではない。

1番冷えてるのは私の肝である。

 

最後に使ったのはガソリンスタンドでの給油。

 

夫にカードを渡し、支払ってもらったところまでは記憶にある。

それを受け取って財布にしまったかどうかまでは曖昧だ。

夫も、使い終わって私に返したと思うけど…と自信なさげ。

 

とりあえずそのガソリンスタンドに電話で聞いてみる。

 

「クレジットカードのお忘れ物はないみたいです。」

わずかな望みも絶たれてしまった。

 

観念してクレジットカード会社に連絡。

 

自動音声が流れ、促されるまま番号を押す。

そしてまた自動音声。

 

番号を押す。

 

紛失による利用停止はネットからもお手続きできますが、オペレーターにつなぎますか?みたいなことを聞かれたが、無視して人間に繋がる番号を強めにプッシュ。

 

クレカ紛失という気が気でない状況で、機械にまで気を使う余裕はない。

 

ようやく繋がった電話口の方の声があまりにも綺麗すぎて

また自動音声!?

と疑ったが、違った。

よかったちゃんと人間だ。

 

事情を説明すると、すんなり手続きは完了。

無事に利用停止とカードの再発行ができた。

 

利用状況を調べてもらったが、不正利用などはなく、一安心。

でも念のため警察には届けてくださいね、と言われたので素直に従う。

 

何かあったときに取り返しがつかなくなるのは怖いからね…。

 

ちなみに楽天カードの場合、親カードを再発行しても、家族カードやETCカードは作り直さなくていいらしい。

 

へぇ〜。

豆知識を得たことで、

さっきまでの不安な気持ちが少し和らいだ。

元気を取り戻したところで、さっそく警察署へ向かう。

 

ところで、クレジットカードをなくした人間は、どこの窓口に行けばいいんだ?

 

事件?

ではない。

財布ごと盗まれたわけでもない。

 

うろうろしていたら、落とし物窓口を案内された。

そうか。

落とし物か。

そりゃそうだ。

 

クレジットカードを紛失したことを伝え、受付用紙に記入。

届いていないかも確認してもらったけれど、やっぱり見つからなかった。

 

見つからなかった場合は、遺失届の受理番号が発行されるらしい。

万が一何かあったときに、ちゃんと届け出たことを証明してくれる番号である。

とても大切なので、無くさないようにしっかりと財布にしまう。

 

こちらも手続きはすんなり終わった。

カード会社にも連絡して、警察にも届けた。

今やれる全てのことを終わらせ、やっとひと息つける。

 

カードそのものは相変わらず行方不明だが、あれだけザワザワしていた気持ちもだいぶ落ち着いた。

あとは新しいクレジットカードが届くのを待つだけ。

 

支払いのほとんどをクレジットカードで行っているので、なくなると本当に困る。

今回のことで改めてクレカへの依存度を認識してしまった。

 

もうこんな思いは2度としたく無い。

だから、

「こんなときのために、2枚目のクレジットカードを持っておいたほうがいいのでは?」

と思ったが、いやいや。

そもそもクレジットカードが1枚なくなっただけで生活に困る状態のほうを、どうにかしたほうがいいんじゃないか。

 

カードがなくても、しばらく暮らせるだけの現金があればいいではないか。

 

私はものをなくさないと思っていた。

けれど、どれだけ気をつけていても、何かの拍子にやらかすことはある。

 

だったら、なくさないようにするだけじゃなくて、なくしても困りすぎないようにしておけばいい。

 

カードに頼りっぱなしだった生活を、少し見直すいい機会なのかもしれない。

 

またひとつ、人生経験が増えた。できれば増やしたくない類の経験だったけれど。

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