夫と夕食を食べていたらインターホンが鳴った。
Amazonからの配達のようだが、何も買った覚えがない。
若干不審に思いつつも、
とりあえずエントランスのロックを解除して配達員さんを通す。
最近は置き配が主流なのか、部屋のピンポンは押さずに帰る配達員の方が多い。
ドアに耳をぴったりとくっつけ、人の気配がしないことを確認してから
荷物をピックアップ。
念の為宛名を確認したら、全然知らない名前が書いてある。
嫌な予感が的中してしまった。
配達員さんを追いかけようにも時すでに遅し。
こういう時はどこに連絡したら良いのだろうか…。
色々調べてみたけどわからず、
結局直接持っていくのが1番早いという結論に落ち着いた。
本当の荷物の配送先は、最近うちの隣に建てられたマンションだ。
駐車場の様子からすでに何組か入居していることは察知していたけど
まさかこんなことが起こるとは。
同じ部屋番号だけど、建物が違う。
なんともややこしい。
ほぼ同じ住所と建物名で“東”と“西”だけ名称を変るなんてわかりずらい。
名前をつける人は気が付かないものだろうか。
もっとインパクトのある名前にしてほしい。
マンションにもあっていいじゃないか、
キラキラネーム。
うちのマンションも新築で入居してまだ2年程なので比較的きれいなほうだが、
こちらのマンションの方がもちろん新しい。
施工したての独特な匂いがエントランスに漂っていた。
宛名は男性だったので夫に対応してもらう。
呼び出し音がしばらく続いたので
宅配ボックスにでも入れて帰ろうか、
と話していたら応答があった。
インターホンに出たのは女性でややびっくり。
奥様だろう。
事情を話したら下まで取りに来てくださった。
話を聞いたら、この方達は私たちが住んでいる方のマンションから
この新築のマンションに引っ越したらしい。
すぐ横の建物に移動する理由は見当もつかないが、
ともかく感じの良い人でよかった。
どう考えても怪しい大男がドアホンに映っていたら怖い。
応答を躊躇するだろう。
でも出てくれた。
何度もお礼を言ってくれたし、本当にいい人だった。
無事に解決して一安心。
しばらくは、また同じことが起こるかもしれない。
と用心していたが、あれから荷物が間違ってうちに届くことはない。
あの人になら荷物を届けることも苦じゃないなと思っていたけど、
何事もないならそれで良い。
昔、一人暮らしをしていた時にも同じようなことがあった。
インターホンがなったのでドアを開けたら
ほかほかのピザを持ったお兄さんが立っていたのだ。
お熱いのでお気をつけくださ〜い
なんて言いながら渡してくるものだから、
つい受け取りそうになった。
美味しそうな匂いに判断が鈍りつつも、
いやいやピザなぞ頼んでいない。
と、心を武士にして誤配送であることを申告。
一瞬誰かからの粋な計らいかとも思ったが、
いきなり自宅にピザを届けるような友人には心当たりがない。
もしあの時のピザを受け取って食べていたら
一体どうなっていたのだろう。