19歳の現役大学生に
「今のうちにやっておいた方がいいことってありますか?」と訊かれた。
やったほうがいいことなんて将来の目標によって人それぞれ異なるので、具体的なアドバイスは難しい。
続けることで成果が出ることはたくさんある。勉強とか技術を習得することとか。
それについて「やっておけばよかった」と後悔したことは数えきれない。
でもやっておけばよかったと思うことでやらなかったことは、所詮自分にとって実はそんなに必要ないものだとも思う。
例えば英語が喋れるようになりたいと思っていても英会話教室に通わないのは、切羽詰まった理由がないからだ。
喋れたら将来役に立つかもしれない、
くらいの気持ちなのでいつまでも始められない。
喋れなくても今のところ困ったことはないし、そう思っているうちに翻訳機能やAIの技術が発展して、頑張って勉強しなくても何とかなりそうな雰囲気がある。
本当に外国の方と英語でコミュニケーションが取りたいと思うなら、積極的に勉強しているはずなんですよね。
やりたくもないことを続けるのは苦痛だし結局続かないから、やった方がいいことはある程度自分が興味のあることが良いということになる。
個性が価値になって、コスパとかタイパとかの効率を重視してる今の時代、
レビューを見てより良い商品を選んだり、人間関係をスパッと切り捨てたり、
賢くて潔い人が増えた気がする。
そういう人たちがどんどん前に進むのを見て、
自分が置いていかれるように感じて焦っちゃうんだよね。
とてもわかる。
でも焦らずにコツコツと積み重ねていけばそれは資産になるし、
経験が自信になって個性にもなっていく。
急がば回れ、悠々として急げ、ですね。
そういう“自分らしさ”みたいなものを造るためにも、続けることは重要。
きっとこの19歳の子は「10代のうちから続けておいたら役に立つ具体的な行動」を知りたかったんだと思う。
周りの人と比べて自分に個性がないことや、やりたいことが思いつかないことに焦燥感があるようで、やるべきことを見つけることで安心したい、という様子だったから。
けど何をするかよりも、その物事をどれだけ継続できるかの方が重要なんだよね。
ここまで偉そうに語ってはみたものの、私が継続していることといえば、筋トレ、料理、絵を描くこと、本を読むこと、植物を育てることくらいだ。
どれも好きでやっていることで
「頑張って継続するぞ!」と思いながらやっているわけではない。
自分にとってはただの趣味。
趣味はやったほうがいいことというより、
人生を豊かにするためにあったらいいことに近いと思う。
そしてそんな趣味が転じて私はwebデザイナーという職業に巡り合っている。
つまりやったほうがいいことは、自分のやりたいことなのである。