人間関係の構築が苦手な私にも、ありがたいことに仲良くしてくれている友達が数人います。その中の一人、やめちゃん（仮名）の話をしたいと思います。

 

やめちゃんは私のひとつ年上で、臼田あさ美似の美人。資格を取るべく、看護系の学校に通いながら、夜は学費を稼ぐために病院で働く頑張り屋な彼女。かなり多趣味で、会うたびにマイブームが変わっています。最近は天然石にハマっているらしく、私にもピンクアメジストのフラワーアゲート、という石をひとつプレゼントしてくれました。

 

いつもお姉さんらしく振る舞おうとご飯を奢ってくれたり贈り物をくれたりするのですが、ちょっと天然で愛嬌たっぷりなやめちゃんを、私は年齢の垣根を超えて慕っています。

 

そんなかわいいやめちゃん。

とにかくいつも「何でそんなに運が悪いの？！」っていうくらい対人関係でのトラブルが多いのです。男運も悪ければ職場でのいざこざにも巻き込まれる。

一回お祓いに行った方がいいんじゃないの？と勧めたら、「もう行った。」とのこと。神様でもどうにもならないほどの悪運の強さらしい。

こんなにかわいくて優しくていい子なのに、なんで…。と、いつも不憫に思っていました。

 

私は今まで生きてきて、大きな人間関係のトラブルに関わったことがありません。（多分。記憶にはないです。）

小学生から中学生の頃にいじめられてたとか、友達だと思っていた人に裏切られたりとか、大学の時バイト先で馴染めなくて泣いたとか、社会人になって上司に振り回されたりとか、そんな誰にでも経験がありそうなことくらいです。

 

しかも私は０か１００か、のはっきりした性格なので、「無理！」と思ったらすぐにフェードアウト。LINEも未読スルーです。

 

だから、やめちゃんみたいに“人と感情をぶつけ合う”ということをしたことがありません。ぶつかるくらいなら離れたい、消耗したくない、と諦める。人間関係に対してどこか冷めていて、深入りしたくないし、してほしくもないと思っています。

 

 

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以前、やめちゃんが元彼と別れた時のことを話してくれました。彼は浮気していて、そのことを問い詰めたら別れに発展した、という内容で、やり取り自体はLINEで行われていたそうなんですが、やめちゃんは

「たくさんお世話になったし、最後に会ってお別れくらいちゃんと言いたい。今までこんな別れ方したことない。」

と、わざわざ別れ話をするためにその最低な浮気野郎と会ったらしいのです。

そうなんだー、大変だったねー。と相槌を打ちながら、私の心臓はドキドキしていました。

 

なぜなら私は、高校生の時から10年も付き合っていた彼を

LINEでフった過去があるから。(しかもかなり一方的に)

 

どっちが正しいとかダメとかはないと思うし、過去のことは振り返らない性分だから、話を聞いて自己嫌悪になるとかはなかったのですが、そのとき私は純粋に「やめちゃんはすごいな…」と尊敬したのです。

 

 

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やめちゃんの職場での出来事。実習先で同じグループになったZ世代の女の子（仮に田中さんとします）と馬が合わずに苦労しているとのこと。他のグループや先生も認めるほどの問題児らしく、毎日のようにトラブルが頻発。心身ともに疲れきっていたある日、勤務態度を注意したら小競り合いが始まってしまった。

 

病院や学校の先生とも話し合いが行われたが、結局田中さんの態度は改善されず、やめちゃんは「もう気にしなくていいから。あなたのやるべきことだけに集中して。」と指導されたそうな。

 

やめちゃんは自分の仕事に誇りを持ち、やりがいを感じています。患者さんとのコミニュケーションを大切にし、たとえ病を患っていたとしても、毎日が楽しく過ごせるようにと願いながら看病をしています。

 

他の看護師も当然、自分と同じような志を持って働いていると思っていました。しかし、田中さんは患者さんに寄り添うこともなく、ただ給料がいいからという理由だけで仕事を選んでいます。

そして田中さんだけでなく、同じチームの若い子達も同じようにモチベーションが低いらしいのです。

 

この話の驚くべきポイントは、その実習がなんと３ヶ月も期間があったこと。そんなストレスの溜まる環境で３ヶ月も耐え抜いたやめちゃんはもはや仙人です。偉すぎる。

 

やめちゃんは盛大にモヤモヤした気持ちを抱えつつ、でも仕事を真っ当すべく、そのやる気のないチームで最後までがんばったそうです。

 

もし私なら最初から諦めてます。話し合いとかできない。例え怒りや悲しみ、苦しみなどの負の感情だったとしても、相手に真正面から立ち向かえるやめちゃんを、私は本当に芯の強いたくましい女性だと思います。

 

 

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やめちゃんが人間関係のトラブルに巻き込まれる原因がわかった気がしました。

運気とかそういうものじゃなくて、ただ“人に真っ直ぐ向き合うことのできる性格”だから、衝突することが多いんだと。良くも悪くも、自分の中に沸いた感情を包み隠さず曝け出して相手にぶつける。それができる人なんだって。

 

それってすごいことです。誰でも面倒なことって避けたいじゃないですか。ただでさえ毎日生きるのに必死なのに、無駄な体力使いたくないなって。

 

でもやめちゃんにとっては無駄なことじゃないんですよね。自分の信念がちゃんとあって、それを踏み躙られたらしっかり反撃するエネルギーを持ってます。

 

私は自分にとって害のある人物に対しては、心の中で（可哀想な人…）と思いながら空気のように扱っています。もう人として見えてません。私の人生に勝手に参加しないでー、と通行人Mにしちゃいます。モブです。ケンカする時間も体力ももったいないから消えてねーって、実は平和主義だったりします。

 

こんなにちがう私とやめちゃん。仲良しなのが不思議です。次は共通点を探してひと記事書こうかな。

 

どうかやめちゃんの人生が幸せなものになりますように。