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HSP気質の私が退職代行サービスで会社を辞めた話し - ぽんず日記

ライフスタイル

HSP気質の私が退職代行サービスで会社を辞めた話し

2023.4.13

31歳を目前に、3年半勤務していた会社を退職代行サービスで辞めました。

なぜサービスを使わなければならなかったのか、働く環境が悪かったのか、辞めた後にどうなったのかなど、退職から現在までの出来事をつらつらと書いています。

退職代行サービスの概要だけ知りたいかたは「代行サービスの利用手順について」へジャンプしてください◎

 

働いていた環境

Web制作会社でデザイナー兼エンジニアとして勤務。入社当時は制作も営業もそれぞれ56人くらいいて、頼れる先輩や、困ったことがあったら相談できる仲間もいました。

 

設立して10年未満のベンチャー企業だったので、社内組織や仕事のやり方については流動的な部分が多かったです。それが理由だったのかは定かでないですが、次第に色々な理由でメンバーが辞めていき、最終的に営業は社長を含めて3人、制作は私1人になっていました。今考えたら離職率高かったのかも。

 

とはいえ、有給も申請すれば好きな日に取れるし、残業代もちゃんと支給されていたし、なんでも言い合える信頼関係もそこそこ構築されていて、職場の環境として特に大きな問題はなかったと思います。

 

上司だったメンツもごっそりいなくなり、気がついたら自分が一番古株になってました。前職はデザイナーだったのでデザインはそこそこ技量がありましたが、プログラミングは実践経験0の状態からスタート。4年弱勤務していたとはいえ、1人で制作としてやっていくには学び足りない感覚です。

 

仕事内容がテンプレート化された作業ならまだよかったですが、案件ごとに制作の条件も組み込むシステムもばらばら。作ったことのないシステムだったり、エラーが発生しても解決方法がわからなかったり、いつもテンパっていました。

 

私の性格

ここで私の体質について少しお話します。

私はいろいろなことに敏感で些細な出来事で疲れてしまう、いわゆるHSPの傾向が強くあります。

(※ここではHSPについての説明は割愛しますが、詳しく知りたい方は後ほど記載する書籍を参照してみてください。あなたの周りにいるHSP気質の人や、あなた自身の助けになるかもしれません!)

 

元々不安症で、考え方もネガティブ。仕事においては、どうしてみんなはそのやり方で困らないのか、不安にならないのか、非効率なやりかたをするのか、不思議に思うことがよくありました。書類やデータの管理、指示をする際の伝え方、案件の要件整理などについて、ちょっと雑すぎやしないか?と。

 

それでも頑張ってコミニュケーションを続けるうちに、「なんだかみんなと私ですれ違いが起こっているかも…。自分の性格や考え方についてきちんと把握した上で改善していきたい。」と思い始めました。そして色々調べた結果、自分はHSPだと気がついたのです。

 

自分がHSP傾向にあると知ってからはいろんなことが楽になりました。人と自分の間にある考え方の差に悩まなくなったし、自分の繊細さを長所としてポジティブに捉えられるようにもなったし、なにより仕事面で慎重さや気がつきやすさを活用できるようになったのがよかったです。

 

辞めた経緯

私の気質を理解してくれて、仕事の融通もある程度きいて、メンバーに嫌な人もいないし、仕事なんて楽しいことばっかりじゃないんだから、こんなにいい環境は他になかなか無いだろう。と思ってどうにかこうにか気持ちを持ち直し、しばらくがんばっていました。

しかし、それでもやっぱり根底には「仕事が辛い」という事実が存在していて、少しづつ、でも確実に、私の精神は蝕まれていました。

それが顕著に現れたのが夜中に過呼吸で倒れたとき。納期が間に合いそうになくて、業務時間外でも作業しちゃってたんです。(もちろん自己判断で、会社に強要されてたわけではありません。)自分で自分の心と体の健康をコントロールできるようになったものの、納期に間に合うかという不安や、自分1人でやりこなさなければいけないというプレッシャーで、心身ともに限界でした。

 

実は代行サービスを利用する前に、今担当している案件が終わったら辞める、という意志は伝えてありました。しかし、さすがに急すぎるとのことで、勤務時間や日数を調整するから退職のタイミングはもう少し待って欲しいとお願いされ、私も1度はそれを承諾。でも後からよく考えたら、そもそも仕事をしなければならないという状況自体がストレスであり、一刻も早く解放されたいのに後1ヶ月も延長なんて無理。まだ仕事が続くことを考えたらとても憂鬱でした。

 

退職の意思を伝えた翌日、リモートワークの日だったので自室のPCを立ち上げました。が、キーボードを叩く指が動かず、思考回路も停止。次第に頭痛もし始めて、パソコンの前にいることすらままならなくなったのです。仕事をしようとすると体が拒否反応を起こしていました。「これはもうだめだ」と判断し、夫に「代行サービスで今日会社辞めるわ」と宣言。「うん、いいよ」という穏やかな返事を聞き、颯爽とサービス利用のボタンを押したのでした。

 

代行サービスの利用手順について

退職代行サービスは会社によって価格もサービス内容もまちまちです。相場は3万〜5万円くらい。運営元は弁護士、労働組合、民間企業のいずれかで、法律が絡んでいるのか、会社と交渉が必要かどうかなどを判断基準に、お願いする会社を選ぶと良いみたいです。

 

いろんな会社を比較した結果、最終的にお願いしたのは「退職代行ガーディアン」です。基本的にどのサービス会社もLINEやメールで無料相談を受け付けているのですが、そのやりとりの雰囲気が一番よかったので選びました。

退職代行ガーディアン公式サイト

退職代行ガーディアンは労働組合が運営しており、有休消化などの交渉も行ってくれます。(私は有休消化についてすっかり抜けていたので、利用する際は絶対にお願いした方がいいです!)

 

代行サービスを利用したメリット

・LINEだけで全て完結

・お金で解決できる

・会社とやりとりしなくていいので気持ち的に楽

・明日から会社行かなくていい!

・その後の転職活動にも影響なし

 

あえてデメリットを上げるなら、お金がかかるという事くらいでしょうか。でも、メリットにも挙げている通り、逆にお金で全て解決できるなら安いと思います。とにかくお願いしてよかったという感想しかないです。

 

利用の流れは

1.LINEで相談・ヒアリングシートを解答

2.入金する

3.進捗報告を待つ

 

ヒアリングシートを記入して依頼したら、あとは待つだけです。驚くほど簡単に辞めることができました。後日会社から諸々の書類が届くので、ハローワークに行くなどして失業手当などの手続きをしたらOKです。この書類も、会社から直接郵送されることはないです。私の場合は税理士事務所の宛名で届きました。おそらく会社が契約している事務所だと思います。些細なことですが、少しでも会社との関わりは避けたい状況にあったので、精神的なダメージを受けず助かりました。

 

ヒアリングシートでは、本人情報、会社の住所や電話番号、退職理由、その他確認事項を訊かれます。答えられる範囲で大丈夫みたいで、いくつか空欄で提出しましたが特に問題なく受理されました。ちなみに退職理由の箇所は「体調不良により、業務の継続が困難なため」と回答しました。

 

退職の旨は代行サービスの方が電話で連絡をしてくれます。会社に入電する時間も指定することができます。職場への連絡は17時までらしく、私が相談した時には17時を過ぎていたので、入電は次の日の早朝になりました。

 

翌朝、入電の報告と会社側からの伝達事項を受け、無事に退職完了。保険証や会社の鍵などはレターパックで郵送し、個人のログイン情報やブラウザの履歴は全デバイスから消去。社内で使っていたコミュニケーションツールもログアウトして、自宅のPCに入っていた業務に関するデータも全削除。これで完全に会社とのつながりは断ち切れました。こまめに共有のオンラインストレージにデータをアップロードしていたおかげで引き継ぎも必要ありません。会社で使用していたパソコンも常にデータ整理はしていたので問題なし。日頃の真面目さがここで活きました。

 

代行サービスを利用して思うこと

LINEでしかやりとりをしていないので、担当の方の温度感はわかりません。でも、会社と私の間に立ってくれる強い味方ができたみたいに、とても安心できました。

 

サービス利用受付完了後のメッセージにて、「終わりましたらご報告いたします。※退職代行実行前の職場からの連絡は無視していただくのが一般的です。」と書き添えてあり、心強かったのを覚えています。いくら自己防衛のためとはいえ、他人任せで辞めることに若干の後ろめたさはありました。でもこの一言で自分の行いが正当化されたような気分になり、会社を切り捨てたことを無情だと思わせないような言い回しが、ありがたかったです。

 

代行サービスなんて怪しい、と感じる人もいるかもしれません。でももう冷静に考える余裕もないんですよね。最後の命綱みたいなものだし。たとえお金を払ってやってもらったことだとしても、私は救われました。

 

もちろん円満に退職したかったし、お世話になった恩もあります。会社にいた人たちが悪いわけじゃない。環境に適応できなかった私が悪いとも思わない。だからこそ、苦渋の決断でした。

 

余談【キャンセル料100%支払った】

サービスを検討する際に3社ほどLINEでメッセージをしました。その中のある代行サービスで、相談を進めるうちに「退職届を作成して提出してください。」というフェーズに。とにかく今すぐに退職したい私にとっては煩わしい作業でした。やっぱりここはやめて違う会社に相談してみよう、とやりとりを一旦中断。別のところに相談し、結局そのままそこへ依頼をしました。

 

依頼完了後、先ほど中断した代行サービスから「入電はいつにしましょうか?」とメッセージが。そういえばキャンセルしてなかった。と思いその旨を伝えると「ヒアリングの段階で同意いただいている通り、キャンセルの場合でも料金が100%発生しますがよろしいですか?」

え!

LINEをさかのぼって見たら確かに書いてある…。やってしまった。

代行サービスを利用するほど仕事のストレスはMAX、まともに判断する体力がその時の私にはありませんでした。とはいえ確認は大事。高い相談料になってしまったけど、これも勉強。きっちり支払いました。

 

もし利用することがあったら、規約はちゃんと読みましょう。信頼できる誰かと一緒に手続きを進行するといいかもしれません。

 

最後に

退職代行サービスを積極的に勧めるわけではありませんが、最後の手段としてこういうものがある、と知っておいたら、限界まで追い詰められても心身が崩壊することは食い止められるかもしれません。そこまでの重傷に至らないことが本当はいいのですが…。

 

サービスを利用してから3週間以上は経過していますが、仕事のことを思い出すたびに軽く動悸がします。この記事を書き上げるのにも1週間くらい時間を要しました。仕事をすることが軽くトラウマになりかけています。

 

精神的な疲労は、肉体的な怪我や症状に比べて現状が見えにくいです。気がついたら深手だった、ということが往々にしてあります。日頃からケアして、頑張りすぎないように自分を労ってください。私も退職してから夫に「顔色が良くなったね」と言われて、はっとしました。ずっとゾンビみたいな風貌だったらしいです。

 

突発的に退職したので友達にはほとんど事後報告になってしまいましたが、みんな「辞めれてよかったね!」「健康が1番大事やから。今はとりあえずしっかり休みな」「いつでも仕事紹介できるから」と本当に優しかった。どれだけ心が軽くなったことか。友達のありがたみを、改めて感じました。

 

仕事だけが人生じゃないし、急に辞めても意外となんとかなるものです。失業手当だって利用できるし、ハローワークの人も親切だし。

もっと早く広い視野で周りを見たらよかったと思います。いつの間にか、目の前の仕事をこなすことが使命のようになっていました。

 

辞めた後の手続き事情などは、また別記事に詳しくまとめたいと思います。

少しでも、同じように辛い思いをしている人や、サービスを利用しようか悩んでいる人の助けになりますように。

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#HSP#仕事

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