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家族とは何かわからなかった私が結婚できた話 - ぽんず日記

ライフスタイル

家族とは何かわからなかった私が結婚できた話

2024.3.12

以前、夫と生活費のことで一悶着あったときのこと。

夫婦のお金の価値観は「使い方」と「稼ぎ方」のふたつで考える

 

夫は私のことを家族として支えてくれようとしているんだ、と感じました。結婚しているんだから当たり前でしょ。と思う方もいますよね。でも私には分からなかったんです。結婚してから1年が経ちましたが、今だに「家族」という関係性について自分の中で“これだ!”というものを見つけきれていません。

 

 

夫と結婚するまで、私は家族と縁のない人生を送っていました。物心ついた頃から両親とは一緒に住んでおらず、父方の祖母の家に預けられて育った幼少期〜学生時代。離婚がきっかけで家庭崩壊したのだと知ったのは高校生くらいです。

 

兄弟も親戚もいなかったので、詳しい事情を誰に聞くこともなく「なんか知らないけどうちには母親がいない。父親も帰ってこない。まあいいか〜。」と諦めて過ごしていました。正直興味なかったんですよね笑

 

幼い頃から祖母と2人だったので、私は一般常識というものが身につかないまま成長。そのせいで恥ずかしい思いをたくさんしたし、早く大人になって1人で生きていきたいと思っていました。

 

年齢が上がるにつれて反抗期になっていく私を祖母は嫌い、私も気の強くてわがままを聞いてくれない祖母が嫌いでした。家の外に放り出されたり、ご飯のたびに嫌味を言われたり、私は本当にこの人の孫なんか?って思うような扱いばかり。

今振り返ってもどうやって生活してたのか謎です。まともでないことは確かですが。

 

家族とは血縁じゃないんですよね。生物学上の父親も、その母親である祖母も、みんな私の家族ではありませんでした。

 

 

そんな家庭環境で育ったからか、“家族を作る”というイメージは皆無。子育てにも関心がない。

ただ人並みに恋愛はしていて、好きな人とずっと一緒にいられたらいいな〜と、乙女な部分は持ち合わせていました。

 

 

 

社会人になり、周りの友達も結婚し始める20代半ば、私には高校生の時から付き合っている彼がいました。

ご家族にも可愛がってもらって、お姉さんの結婚式にも家族席で参列。付き合いも長いし、「多分この彼と結婚するんだろうな〜。」と漠然と考えていました。

 

 

彼の家族はみんなとてもいい人たち。家族になれたらきっと平和だろうなと思う。

でも、なぜか居心地が悪い。

単純に緊張していただけというのもあるかもしれないけど、なんかしっくりきてない感がずっとひっかかっていました。

 

お姉さん夫婦と食事に行ったり、お正月に集まって過ごしたり、着々と家族になる準備は整っていたのですが、私にとってこの“家族と過ごす”という時間が違和感でしかなかったんです。

 

 

あ。私、この一家に“入れてもらう”って思ってるんだな。

 

そう気がつきました。

 

私には親兄弟がいないので仕方ありません。

彼も彼の家族も、私に家族がいないことなんて気にしてませんでした。

 

でも、私が気にしていたんです。

 

家族ぐるみでの付き合いが多くなり、間近で“家族”を感じてみて、「あぁ、私はこの中に入れないな。入りたくないな。」と。

 

昔の記憶が蘇って嫌な気持ちになるのか、自分が誰かの“家族”になるのが気味が悪いと思ってしまったんです。

 

***

 

結局その彼とは結婚の話も出ないままお別れをし、20代後半で独り身となった私。

 

これから先どんなに素敵な人と出会っても、私の中にある「家族」に対する気持ち悪さがネックになるのかと思うと、地味に凹みました。

 

でも幸い私は1人で過ごすのが好きなタイプ。

結婚が全てじゃないし!

と気持ちを切り替えて、自由な時間を謳歌していた矢先に今の夫と出会い、結婚しました。(急展開)

 

 

えーーーっ。って感じですよね。

人生何があるかわかりません…。

 

 

夫の両親も離婚していて、結婚前の挨拶はお父様お母様にそれぞれ会いに行きました。

 

事前に私の家庭事情は伝えてもらっていましたが、改めて自分の口からも伝えねば…!そう思って、「私には紹介できる家族がいないんです。すみません。」と言うと

 

「ちょうどよかった〜!聞いてると思うけどうちも離婚してて、家族付き合いとかどうしようかと思ってたんだよね〜」とお母様。

 

コンプレックだと思っていた家庭事情が、こんな風に役立つとは…。

 

翌日お会いしたお父様も

「どうも!一応こいつの父親です。お菓子持って帰り〜。練り物もあるで(にこにこ)」と茶目っけたっぷりでお出迎え。

 

 

 

それからトントン拍子に話は進み、あんなに家族を築くことに抵抗があったのにあっさり入籍。

夫やその家族のみなさんの人柄がよかったことももちろんありますが、似たような家庭事情だったことが背中を押してくれました。

 

 

お父様とお母様はもうお互い顔を合わせることはないそうなのですが、夫が間に入って伝書鳩的な役割はしているみたい。夫との仲は良いので、お家にご挨拶に伺ったときも、お父様とお寿司を食べに行ったり、お母様の家で飼っているインコと遊んだり、楽しい時間を過ごすことができました。

 

家族になるのが気味が悪いとか思ってたのに、全くそんな感情は湧かず、むしろ2倍楽しめてお得感すらありました。

 

夫には妹さんもいるのですが、「やったー!妹ができるぞー!!」と可愛がる気満々。

 

多分、「家族」というよりは、各々が自立した「個人」として過ごしているから、私も居心地がいいんだろうなと腑に落ちました。

 

 

***

 

 

離婚なんて今時珍しくもないけれど、家庭に事情があることが全く気にならないと言えば嘘になります。

私にとって家族は縛りであり足枷でしかありませんでした。置かれている環境から早く逃げ出して自由になりたかったし、まともに生きたかった。

家庭環境のせいで煩わしいことに巻き込まれたり嫌な思いをしたりして、なんで私の人生はこうなんだろう?と気持ちがどん底に落ちたことは数え切れません。

 

 

でも夫とその家族のみんなが、私の家族に対する概念を変えてくれました。

 

家族に対するトラウマをずっと抱えて生きていくんだと諦めていたけど、家庭に事情がある私でも結婚して家族を作れた。

制限し合う存在じゃなくて、一緒にいたら人生が楽しくなるパートナーができた。

 

血の繋がりなんかなくても、関係は当たり前に築いていけるんだなと思いました。

 

 

家族の定義はずっと曖昧なままかもしれません。

でも、毎日楽しく暮らせているのが夫のおかげである、ということははっきりわかります。

 

 

恋は落ちるもの。愛は育むもの。

 

家族って何なんだろうねー?って思いながら2人で育む時間が、振り返った時に何かしらの形になっているのかもしれません。

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#夫婦

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