フリーランスとして在宅で働くようになってから、コンタクトよりもメガネをかける時間が長くなった。
長らく使っているこの現役メガネは、すでに度が合わなくなっている。
流石にそろそろ新調したほうがいいかな、
でもせっかくなら質のいいものにこだわりたいな。
そんなときに見つけたのがオーマイグラス(Oh My Glasses)という店舗だった。
予約すれば、無料でスタイリストさんによる
マンツーマンのカウンセリングが受けられる。
夫もサングラスを買うのに参考にしたいということで、ペア診断ができる「顔型診断コース」を予約。
プロにじっくり時間をかけて提案してもらえるなんて、期待しない方が無理だ。
しかも診断と名の付くものは大体楽しい。
夫もこういう診断系は初めてらしく、2人揃ってワクワクしながら来店。
訪れた店舗は清潔感があり、落ち着いた雰囲気。
スタッフさんは優しい笑顔の男性で、ラウンド型のメガネがとても似合っていた。
眼鏡店に行くと、つい店員さんの顔とメガネの相性を見てしまう。
どんな人が、どんなフレームをかけているか。
当たり前だが、どなたも雰囲気にぴったりのメガネをかけているので
素敵だなぁと感心する。
診断は、顔を撮影して、その写真を元に顔の比率や特徴などを分析し、結果を元に似合うメガネを提案してもらう、という流れだ。
まず顔型診断の結果は、私が「四角顔×ナチュラル」、夫は「四角顔×クール」。
二人とも「四角顔」だったのは、言われてみれば確かに。という感じ。
こんなところでも共通点が生まれるのが面白かった。
私におすすめのメガネは、フレームの形が「ボストン/ウェリントン」、素材が「セル/コンビ」だそうだ。
今持っているメガネも、診断結果から近からず遠からず、といったデザイン。
悪くはないけどもっと似合うメガネが存在する、ということでもある。
メガネ選びは難しい。
デザインが気に入って買ったものでも、度が入ったらなんだか印象が違ったり、長時間かけているとフィット感が気になって使わなくなったり。
メガネをかけるということは、新しい要素を顔に取り入れるということ。
最初はどうしても違和感があるし、
でもそれがオシャレなように感じなくもないし…。
と、色々合わせていくうちにわからなくなってしまう。
服と似ているが、私の場合は視力を補う役割も必要としているので、
最終的に「見えればなんでもいいか。」と、似合うメガネを選ぶことを諦めていた。
しかし、提案してもらったメガネはどれも自分の顔にしっかり馴染むデザインで、
やっと出会えた。と感動。
特に、ブリッジやテンプルの部分がメタル素材で、繊細な模様が施されているデザインについて
「アクセサリー感覚で着用できますよ。」
とアドバイスされた時は、かなり心が躍った。
私はあまりアクセサリーを着用しなので、このメガネこそがアクセサリーとなり得るだなんて、画期的すぎたのだ。
診断の他にも、レンズの種類について詳しく説明してくれたり、メガネをかけた時の悩みについてアドバイスをしておいただいたりして、メガネについてかなり勉強になる時間になった。
結論から言うと、購入までには至らなかったのだけど、
いつか絶対ここでメガネを買う!と心に強く誓った。
そのくらい、提案してもらったメガネが素敵だったし、担当してくださったスタッフさんの接客も親切で、また来たいと思ったのだ。
似合うメガネがわかったところで、さっそく予算の合う別の眼鏡店へ行き、いろいろと試着してみた。
こういう形や素材のフレームが似合う、とわかっているだけで迷いがなくなり、
似合わないかも…という不安がなくなる。
サングラスを所望する夫のために、レイバンにも行った。
サングラスなんて、私の人生で必要になる時など来ないと思っていた。
パリピで陽キャなイメージがあるし、店舗に足を踏み入れることすら
インドア陰キャな私にとってはかなり敷居が高い。
しかもサングラスを売ってる人なんて絶対にチャラい(失礼)。
接客されるシーンを想像しただけでも震えてしまう。
ドキドキしている私をよそに、うきうきで入店する夫。
そして目が合う店員さん。さりげなく近づき、しっかりとお声がけくださった。
ぐいぐい話しかけられるのが苦手なので、夫の背中にひっそりと佇む私。
店員さんは悩みまくっている夫に色々な商品を提案してくれていた。
どうやら感じの良い人みたいだ。
というか、なんなら紳士的でマイルドな雰囲気の男性である。
ちょっと気持ちが落ち着いたところで店内を見回すと、
サングラスがよく似合う、大人な雰囲気の店員さんばかり。
私の想像していたギラギラな店員さんなど1人もいなかった。
勝手なイメージでびびっていたのがなんだか恥ずかしい。
お客さんには女性も多く、サングラスに対する印象はすっかり改善。
気に入ったサングラスを無事に見つけて購入し、嬉しそうな夫。
私もサングラスをかけたら世界が変わって見えるのだろうか。
その後アクセサリーショップにも立ち寄ったのだが、
ダイヤモンドが輝くネックレスよりも、先ほど試着したメガネの方が魅力的に思えている自分がいた。
診断を担当してくれたスタッフさんの
「かけて気分の上がるメガネを選んでください。」
という言葉を思い出す。
中学生でメガネデビューしたものの、高校生になってコンタクトにしてからは、やっぱりコンタクトが垢抜けアイテムとして必需品で、「メガネ=地味」というイメージがずっと定着していた。
でも今回の体験を通して、メガネのポジションは「視力を上げるために仕方なく着用する物」から「気分を上げてくれるオシャレアイテム」 へと大昇格。
それに、在宅ワークの私にとっては、高いネックレスや時計をつけるよりも
お気に入りのメガネをかける方が、きっと気合いが入る。
次に買うメガネは、「よく見える」だけじゃなくて、「私らしく見える」一本を選びたい。