先日、自宅マンションのエレベーターで、ちょっと嬉しい出来事があった。
我が家は10階にあるので、エレベーターが降りてくるまでに時間がかかることがある。そのため、先にエレベーターのボタンを押してから、待ち時間にポストを確認するのが習慣だ。
その日もいつものようにボタンを押そうとしたら、
すでにエレベーターは1階に到着していた。
荷物が届いていたので、先に宅配ボックスに寄ることに。
すると、エレベーターに向かう住民の方とすれ違った。
ああ、これは先に行っちゃうな。
そう思いながら荷物を取り出してエレベーターに戻ると、なんとその方が「開く」ボタンを押して待っていてくれたのだ。
え!ありがとうございます!
慌ててお礼を言い、そそくさと乗り込む。
なんて素敵な人なんだろう。
どうせ先に行くだろうと、のんびり荷物を取り出していた自分を殴りたい。
このご時世、エレベーターで誰かと乗り合わせることに、少し不安を感じる人もいると思う。
私もマンションのエレベーターでは、なるべく相乗りを避けるようにしている。
誰かが乗り込むのを見かけたら、わざとポストに寄って時間をずらしたり。
おそらく他の人も似たような感覚なのか、「先に行ってください」というオーラを放っている人が多い気がする。
とはいえ、我が家は10階。
私が10階まで乗っている間、ほかの住民の方を長く待たせてしまうことを考えると、なんだか申し訳ない気持ちになる。
なので、同じタイミングなら一緒に乗ってもらった方がいいのかな、とも思う。
でも、わざわざ「開く」ボタンを押して待つのも相手に気を遣わせるし、そもそも一緒に乗りたくないかもしれない。
こういうのって、本当に難しい。
以前、男性の住民の方と二人でエレベーターを待っていたときのこと。
私が先に乗り込むと、その方が「先にどうぞ」と声をかけてくれた。
なんて紳士的な……!
さすがに申し訳なくて「よかったらどうぞ」と声をかけ、一緒に乗ってもらったのだけど、こういうさりげない配慮ができる人って素敵だなと思う。
誰かと乗り合わせるのを避けるのも気遣いだし、
扉を開けて待っていてくれるのも気遣い。
同じ「相手を思いやる」という気持ちから生まれた行動なのに、
正反対になることがある。
相手がどう感じるかは、その人にしかわからない。
だからこそ難しいし、こうして思いがけない優しさに触れると、なんだか嬉しくなる。
人間同士だけでなく、ペットを連れている方ともよくこういう場面になる。
特に大きなワンちゃん。
抱っこできるサイズではないので、飼い主さんはワンちゃんを足の間に挟んだり、しゃがんで口元を押さえたり。
絶対に迷惑をかけまいという、飼い主さんの必死さが伝わってくる。
でも、こちらとしては可愛いワンコと同じ空間にいられて幸せなので、そんなに申し訳なさそうにしなくてもいいのになあ、と思う。
ところで、エレベーターのボタンを押すとき、どうしてもエレベーター側の気持ちになってしまう。
例えば、自分が10階にいて、下に降りたいとき。
エレベーターには上がってきてほしいので、つい「上」のボタンを押してしまうのだ。
この話を夫にしたら「なんで?!」とめちゃくちゃ笑われた。
いや、だって上に来てほしいじゃないですか。
実際にこの勘違いのせいで、行きたい方向とは逆に運ばれたこともある。
うっかり「上」を押してしまい、間違いに気づいて慌てて「下」も押した。
やってきたエレベーターには、すでに人が乗っていた。
何も考えずに乗り込むと、扉が閉まるなりエレベーターは上昇。
あれ、上行っちゃう。
仕方なくそのまま上まで付き合い、ようやく下り始める。
もちろん同乗した人は別に何とも思っていないだろうけど、私がひとりで勝手に恥ずかしくなってしまった。
この気持ち、誰かわかってくれませんか……。





