パーマをかけてみたいと、結構前から思っていた。
私は癖毛で、一時期は縮毛矯正でまっすぐにしていたけれど、最近は癖が出にくいショートカットでやり過ごしている。
縮毛矯正は施術料金も高いし、カラーもしているので髪へのダメージも気になっていた。
ついでに、お財布へのダメージももう少し減らしたい。
そんなわけで、「いっそパーマをかけてみよう」と思った。
長く通っていた美容院はあったけれど、思い切って今回は別のお店を予約。
担当さんに不満があったわけではない。
むしろ、髪を育ててくれたという感謝の気持ちの方が大きい。
ただ、私は新しい髪型に挑戦するのが好きだ。
美容院を変えると、同じショートカットでも雰囲気が変わる。
だから今回も、少しだけ冒険してみた。
用意していた写真を見せ、忘れないようにと頭の中で何度も練習した「毛束間は細いけどウェーブは大きく」という注文も無事に伝え、施術が進んでいくのを見守った。
3時間後、ついに完成。
ドキドキの新しい自分とのご対面である。
…あれ?
え?…え、
なんか、イメージと違う…。
想像してたおしゃれパーマとは程遠い。
老けた30代が鏡に写っている。
ニコニコしながら鏡を持って後ろ髪を見せてくれる美容師さん。
「どうですか?^^」という声かけに
「ワー、カワイイデス〜」
としか返せない私。
思った仕上がりと違うけど、それを言ったところで切った髪が生えてくるわけでも
かけたパーマが無かったことになるわけでもない。
多分、美容師さんはちゃんと私の注文通りに施術してくれている。
イメージと違うのは私の顔の問題にちがいない。
美容師さんのせいではない。
うんうんうん。
美容院ってちょっと最後に派手にスタイリングする傾向あるし
自分ではやらないようなセットにしてくれてるから
見慣れてないだけだよねきっと。
そうだ。家に帰って自分好みにスタイリングし直せば、
案外いい感じになるかもしれない。
お会計を済ませ、不安を抱えつつ帰りの電車に乗る。
周りの人たちが私のクルクル髪を心の中で
(似合ってないな)とか思ってるんじゃなかろうかと
ありえない妄想をしてそわそわ。
10分で着くはずの最寄駅がとても遠く感じる。
…実際、家からどんどん遠ざかっていた。
私はあまりのショックで電車を乗り間違えていたのだ。
心がポッキリ折れてしまった。
こういう日はことごとく踏んだり蹴ったりだ。
やっとの思いで帰宅。
速攻でお風呂に入り、
どうにかイメージしていた外人風ニュアンスパーマにならないかと
髪の毛を小一時間こねくりまわしてみるも
人生初パーマの私には為す術もなく。
いつもなら夫が仕事から帰ってきたら玄関に駆け寄り
切り立てほやほやのニューヘアーを見せびらかすのだが
今回ばかりは部屋の影に隠れて出迎えた。
事前に「パーマ失敗した。泣いてる。」
というLINEを送っていたので
自体は把握している夫。
別にそんなに変じゃなくない?
と、いつものほややん顔で言われて
ちょっぴり
「そう…かも…?」
と思いかけたが、鏡を見直してもそこにはモジャモジャ頭の30代がいるだけ。
思い込みでどうにかなる範疇を超えている。
さらに追い討ちをかけるのが、
10日後には夫の実家である和歌山に帰省することだ。
よりにもよって、なんでこのタイミングで新しい髪型に挑戦してしまったのか。
時間は戻せない。
タイムリミットは10日。
残り少ない日数でこのパーマを攻略しなければ。




