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「自分のために描く」でいいと思えた日。絵が描けなくなった理由と、描けるようになったきっかけ - ぽんず日記

エッセイ

「自分のために描く」でいいと思えた日。絵が描けなくなった理由と、描けるようになったきっかけ

2025.7.2

最近「イラストが描きたいのに、なぜか筆が進まない」

というモヤモヤに苛まれていた。

描きたい気持ちはあるのに、何を描きたいのか分からなくなってしまったのだ。

 

どうして描けないのか、なぜわからなくなったのか、理由を探るべく「5回問うワーク」で気持ちを掘り下げてみることにした。

 

「5回問うワーク」とは、名前の通り“なぜ?”という問いを5回繰り返して、自分の本音や本当の動機に近づいていく自己掘り下げの方法。

もともとはビジネスの課題解決や問題分析に使われていた手法だけど、自分の感情や悩みの根っこに気づくためにも、とても有効なワークらしい。

 

今回は、「なぜイラストを描きたいのか?」という問いを軸に、素直に答えを出していく形で進めてみた。

 

さて、まず1回目の問い。

Q1:なぜイラストを描きたいのか?

→ 「楽しいから。上手くなりたいから。」

至って当たり前の回答。さすがに物足りない。

 

次に2回目の問い。

Q2:なぜ“楽しい”と感じるの?なぜ“上手くなりたい”と思うのか?

→ 「自分の画力の上達が目に見えて楽しい。上手くなってたくさんの人に共有し、癒しを与えたい。」

“癒しを与えたい”だなんて、なんだか上から目線な気がして、自分で答えておいてなんか違うなと思った。

 

3回目の問い。

Q3:なぜ、たくさんの人に共有して癒しを与えたいのか?

→ 「自分も色々なイラストレーターさんの絵や漫画を見て元気づけられたし、“可愛い”と思うことが心の癒しになったから。自分もそうなりたい。」

誰かの作品に救われた経験。それを、今度は自分が誰かに渡したい。

この気持ちは、確かにある。

でも、それが“描く理由のすべて”なのかというと、どこかで引っかかっていた。

 

4回目の問い。

Q4:なぜ“自分もそうなりたい”と思うの?

→ 「かわいいキャラクターやイラストを見ることで、辛い気持ちや悲しい気持ちが和らいだ経験が何度もある。絵の持つ力を知っているから。」

この答えが出てきたときに、やっとピンときた。

 

「そもそも、私は世のため人のために描きたいと思っていたんだっけ?」

 

私が本当に描きたいのは、「誰かを癒すための絵」だったのか。

「共感される絵」や「売れる絵」じゃないとダメなのか。

 

いつの間にか抱えていたプレッシャーで、自分を縛っていた気がする。

 

最後の問い。

Q5:なぜ“絵の力”を、自分の手で届けたいの?

→ 「絵は視覚的に、一瞬で心に届く力がある。感情を一発で動かせるし、ぬいぐるみやグッズにして日常に取り込める。それが嬉しい。」

 

 

だけどそのぬいぐるみやグッズは、自分が欲しいから作りたいだけだった。

 

 

やっと、引っかかっていたつかえが取れた。

頭にかかっていたモヤモヤが晴れた。

 

「自分のために描く」でいいんだ。

 

なんでこんな当たり前のこと、見失っていたんだろう。

 

グッズ化したい気持ちだって、たくさんの人に届けたいんじゃなくて、

自分のキャラクターを、自分のために形にしたいだけ。

「全部自己満足でいいじゃん!」と、急にすっきり。

 

 

思い出してきた。絵を描き始めた時のことを。

小学生の頃に、図書館で借りた絵本を1冊まるまる描き写して、家で読み返して楽しんだこと。

中学生になってお小遣いで漫画が買えるようになり、お気に入りのシーンを模写して友達に見せて喜んでいたこと。

高校生になり、アニメのイラストをコピックで本格的に描いて、プロみたいな仕上がりに興奮したこと。…

上手いとか下手とか、誰かの目なんて気にせず、ただ「好き!」って気持ちだけで描いてた。

 

 

そんな素直な気持ちを、どこかに置いてけぼりにしていたみたい。

 

いつの間にか自分で自分にルールを課して、がんじがらめになっていた。

 

 

有名なイラストレーターさんの作品を見るうちに、

「自分もすごい作家にならなければ。」

「大人なんだから、趣味じゃなくて、意味のある絵にしないと。」

どこかでそう思い込んでいた。

 

 

「自分のために描く」

動機はそれだけで十分だったのに。

 

忘れていた。

「絵を描くのが好き」という、その気持ちこそが、自分のいちばんの原動力だったことを。

 

 

なんだか、描けそうな気がしてきた。多分。

 

 

この気づきは、未来の自分のためにメモしました。

また筆が止まってしまった時のために。

 

同じように筆が止まってしまった誰かにも、小さなエールとして伝わればいいな。

 

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