橙(だいだい)、という果物を知っていますか。
皮の香りや果汁の酸味を楽しむ「香酸柑橘」に分類される果物です。
見た目はオレンジに近い感じ。
キッチンでの仕事中の出来事。
お店のドリンカーの方が「今日限定で橙サワーを提供しているから、余力があればお客様におすすめしておいて。」とフロアの子に指示をしていました。
素材にこだわった料理や飲み物が売りなので、スタッフは使用している材料について説明ができるよう教育されています。
しかしどうやらその子は“橙”がどんなものなのか知らない様子。
ドリンカーの方が「橙って何かわかる?」と訊いたら見たことがない、とのこと。
アルバイトのほとんどは大学生で、18歳から22歳あたりの子ばかり。
私も横で聞いていて「そうかー、最近の若い子は橙とか知らないのかー。」とジェネレーションギャップを感じていたのですが、ドリンカーの方は
「もしかしたらお客様にも橙を知らない人がいるかもしれないから、柑橘類系の果物だっていうことは知っておいてね。」と実物を見せながら伝えていました。
ハッとさせられました。
物事の知見なんて人それぞれじゃないか。
それを若いからとか、自分が30代だからとか、年齢の物差しで考えてしまって、少し反省。
ドリンカーの方はその後に「年配の方は多分知ってると思うから、橙についての説明は知らなさそうだったらでいいよ〜。」とも言っていましたが、“接客”という軸に対してベストな対応は何か?を常に考えているんだなと感心しました。
ちなみにその日のドリンカー担当は私と同じ年代の男性。
橙って知ってるよね?!と私にも聞いてくれたのはちょっとシンパシーを感じて笑っちゃいました。
夫にこの話をしたら「都会育ちの人にはわからないよ。僕も知らなかったし。」と謎のシティマウント。
「じゃあひとつ賢くなったね。」と打ち返しておきました。